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玩具用花火の貯蔵・販売に関わる消防の決まり。条例の基準と、煙火の届出との違いを、現行の火災予防条例の条文で解説

玩具用花火の貯蔵・販売に関わる消防の決まり。条例の基準と、煙火の届出との違いを、塩谷広域行政組合の条例を例に解説

玩具用花火の消防の決まりは、火災予防条例が、がん具用煙火の消費、貯蔵、取扱いの基準として定めていて、数量によって、かかる決まりが変わります。玩具用花火を仕入れて店で売るときや、倉庫に置いておくときに、確かめておきたい点は、今回読んだ現行の火災予防条例を例にすると、条文で整理できます。条例は消防本部ごとに異なる場合があります。火薬類取締法は、数量の基準を定める施行規則第91条第2号の範囲で触れます。この記事を読むと、貯蔵と取扱いの基準、売場での扱い、打上げ花火の届出との違い、火災警報中の決まりについて知ることができます。

目次

1. 玩具用花火の消防の決まりは、条例が中心になる

消防法は、火の使用に関する決まりを、市町村の条例に任せています。

火の使用に関し火災の予防のために必要な事項は、政令で定める基準に従い市町村条例でこれを定める

(消防法第9条)

今回読んだ現行の火災予防条例は、消防法第9条などの規定に基づく条例です(現行の条例第1条)。玩具用花火は、条例の語では「がん具用煙火」にあたると考えられます。どの商品が当たるかは、管轄の消防本部に確認してください。条例が定めているのは、がん具用煙火の消費、貯蔵、取扱いの基準と、数量の区切りを火薬類取締法施行規則第91条第2号に委ねるところまでです(条例第26条)。玩具用花火の取扱いは、条例とあわせて、火薬類取締法の定めも見ることになります。

この記事で取り上げる条例の条は、4つです。

  • 第26条: がん具用煙火の消費、貯蔵、取扱いの基準
  • 第23条: 売場などでの喫煙、裸火、火災予防上危険な物品の持込みの禁止
  • 第45条: 煙火の打上げ、露店の開設などの届出
  • 第29条: 火災に関する警報が出ているときの火の使用の制限

2. 条例第26条が定める3つの決まり

玩具用花火の貯蔵と取扱いの基準は、条例第26条にまとまっています。3つの項があります(条例第26条)。

  • 第1項: がん具用煙火は、火災予防上支障のある場所で消費してはならない。
  • 第2項: がん具用煙火を貯蔵し、または取り扱う場合は、炎、火花または高温体との接近を避けなければならない。
  • 第3項: 一定の数量の範囲のがん具用煙火を貯蔵し、または取り扱う場合は、ふたのある不燃性の容器に入れるか、防炎処理を施したおおいをしなければならない。

第1項の「火災予防上支障のある場所」は、場所の状況に当てはめて判断するもので、条例が定めているのは、この文言までです。第2項は、炎、火花、高温になるものの近くに花火を置いていないかが問題になります。倉庫での保管も、売場での取扱いも、貯蔵または取扱いの実際の状況に当てはめます。

第3項の「一定の数量の範囲」は、第3章で見ます。条文は「ふたのある不燃性の容器に入れるか、又は防炎処理を施したおおいをしなければならない」で、容器か、おおいのどちらかです。

3. 数量によって、かかる決まりが変わる

条例第26条第3項は、容器かおおいが必要になる数量の範囲を、火薬類取締法施行規則を基準にして定めています。

火薬類取締法施行規則(昭和25年通商産業省令第88号)第91条第2号で定める数量の5分の1以上同号で定める数量以下のがん具用煙火を貯蔵し、又は取り扱う場合においては、ふたのある不燃性の容器に入れるか、又は防炎処理を施したおおいをしなければならない。

(現行の条例第26条第3項)

条例は数量そのものを書かず、火薬類取締法施行規則第91条第2号で定める数量を基準にしています。その第2号の定めは、原文のとおりです。

法第11条第2項および第3項、第38条ならびに第46条第1項第2号の規定については、原料をなす火薬または爆薬の数量が25キログラム以下のがん具煙火(第1条の5第1号ヘ(2)に掲げるものを除く。)または原料をなす爆薬の数量が5キログラム以下の第1条の5第1号ヘ(2)に掲げるがん具煙火の数量

(火薬類取締法施行規則第91条第2号。数字は算用数字に直して引用)

この第91条の見出しは、「がん具煙火の適用除外」です。第2号の数量は、火薬類取締法の第11条第2項・第3項、第38条、第46条第1項第2号の規定の適用を除外する数量で、基準になっているのは「原料をなす火薬または爆薬の数量」です。花火の製品そのものの重さを基準にした書き方ではありません(火薬類取締法施行規則第91条第2号)。数量は、2つの区分で定められています。

  • 第1条の5第1号ヘ(2)に掲げるものを除くがん具煙火: 原料をなす火薬または爆薬の数量が25キログラム以下
  • 第1条の5第1号ヘ(2)に掲げるがん具煙火: 原料をなす爆薬の数量が5キログラム以下

条例第26条第3項が容器かおおいを求めるのは、この数量の5分の1以上、同号の数量以下の範囲です。5分の1は、25キログラムの区分では5キログラム、5キログラムの区分では1キログラムです。これを当てはめると、量によって、条例第26条の項のかかり方が分かれます。

貯蔵・取扱いの量(原料をなす火薬・爆薬の数量) かかる決まり
5分の1に満たない(25キログラムの区分では5キログラム未満、5キログラムの区分では1キログラム未満) 第1項(消費の場所)、第2項(炎・火花・高温体との接近)
5分の1以上、同号の数量以下(25キログラムの区分では5キログラム以上25キログラム以下、5キログラムの区分では1キログラム以上5キログラム以下) 第1項、第2項に加えて、第3項(容器またはおおい)

(条例第26条、火薬類取締法施行規則第91条第2号)

同号の数量を超える量の扱いは、別の法令の定めによります。

数量は、原料をなす火薬または爆薬の数量で数えます。売場に並べた箱や、倉庫の段ボールの見た目の重さが、そのまま当てはまるわけではありません。自分の店の花火が2つの区分のどちらに当たるのか、倉庫と売場に分けて置いているときに量をどこまで合わせて数えるのかは、条文だけでは決まりません。

倉庫の棚に置かれたふた付きの容器

4. 売場に置くときは、禁止行為の規定も関わる

売場での扱いは、条例第23条が関わります。第23条は、喫煙、裸火の使用、火災予防上危険な物品の持込みを、一定の場所で禁じています。

次に掲げる場所で、消防長が指定する場所においては、喫煙し、若しくは裸火を使用し、又は当該場所に火災予防上危険な物品を持ち込んではならない。ただし、特に必要な場合において消防長が火災予防上支障がないと認めたときは、この限りでない。

(現行の条例第23条第1項)

対象の場所の一つは、「百貨店、マーケツトその他の物品販売業を営む店舗又は展示場」の売場または展示部分です(条例第23条第1項第2号)。ただし、禁止されるのは、このうち消防長が指定した場所だけです。標識は、消防長が指定した場所に設けます。客席の前面など見やすい箇所に、「禁煙」「火気厳禁」「危険物品持込み厳禁」と表示した、地が赤色で文字が白色の標識です(条例第23条第2項)。指定された場所の関係者は、喫煙や裸火の使用、危険な物品の持込みをしようとする人がいれば、制止しなければなりません(条例第23条第7項)。

売り物の玩具用花火が、この「火災予防上危険な物品」に当たるのかは、条文から読み取れません。自分の店の売場が消防長の指定した場所かどうかは、指定の内容によります。不明な場合は、管轄の消防本部に確認してください。

ただし書のとおり、特に必要な場合に消防長が火災予防上支障がないと認めたときは、この禁止は適用されません。この承認は、禁止行為の解除承認申請書で申請し、消防長の承認を受けます(火災予防規則第13条)。

店内の売場の棚と通路

5. 打上げ花火の届出とは、別の手続き

玩具用花火は、打上げ花火などの煙火の届出の対象から除かれています。条例第45条第1項は、あらかじめ消防長に届け出る行為の一つとして、煙火の打上げまたは仕掛けを挙げています。

(2) 煙火(がん具用煙火を除く。)の打上げ又は仕掛け

(現行の条例第45条第1項第2号)

括弧書きで、がん具用煙火は、この第2号の対象から除かれています。届出書は、「煙火打上げ・仕掛け届出書」です(火災予防規則第18条第2号)。がん具用煙火以外の煙火を打ち上げる行為には、玩具用花火の取扱いとは別に、この届出が関わります。

催しに出店して物を売るときは、別の号が関わる場合があります。祭礼、縁日、花火大会、展示会その他の多数の者の集合する催しに際して行う露店等の開設は、対象火気器具等を使用する場合に限って、あらかじめの届出の対象です(条例第45条第1項第6号)。届出書は「露店等の開設届出書」です(火災予防規則第18条第6号)。

届出書の別記様式は、火災予防規則に定められています(煙火打上げ・仕掛け届出書は別記様式第20号、露店等の開設届出書は別記様式第23号の2)。ただし、実際に使う様式は消防本部ごとに異なるのが一般的です。使う様式は、管轄の消防本部に確認してください。

6. 火災警報が出ているときの決まり

火災に関する警報が出ている間は、火の使用に決まりがかかります。市町村長は、火災の予防上危険な気象の状況があると認めるときに、火災に関する警報を発することができます(消防法第22条第3項)。警報が発せられたときの義務は、法が定めています。

前項の規定による警報が発せられたときは、警報が解除されるまでの間、その市町村の区域内に在る者は、市町村条例で定める火の使用の制限に従わなければならない。

(消防法第22条第4項)

現行の条例では、警報が発せられた場合の火の使用の制限として、山林、原野等での火入れをしないこと、煙火を消費しないこと、屋外での火遊びやたき火をしないことなどが挙げられています(条例第29条第1号〜第3号)。

火災予防規則は、火災警報を、実効湿度が60パーセント以下で最小湿度が30パーセント以下になる見込みで、かつ平均風速が毎秒12メートル以上の風が吹く見込みのときに発令するものとしています。どちらかに当たらなくなったときに解除します(火災予防規則第3条の2)。

条例第29条第2号の「煙火」は、第45条第1項第2号の「煙火」とは、書き方に違いがあります。第45条第1項第2号は「(がん具用煙火を除く。)」と括弧書きで除いていますが、第29条第2号は「煙火を消費しないこと」と定めているだけです。この「煙火」にがん具用煙火が含まれるかは、括弧書きの有無だけでは判断できません。

7. 消火器と、防火対象物の点検

玩具用花火を売る店舗の消火器は、建物の用途、延べ面積、階と床面積、少量危険物や指定可燃物の貯蔵・取扱いなどの条件で決まります(消防法施行令第10条第1項)。たとえば、物品販売店舗にあたる(四)項の防火対象物は、延べ面積が150平方メートル以上のものが対象です(消防法施行令第10条第1項第2号イ)。

一定の防火対象物は、防火対象物点検資格者による定期点検と、消防長または消防署長への報告が必要です(消防法第8条の2の2第1項)。点検の基準には、市町村長が定める基準も含まれます。現行の火災予防規則は、その基準の一つに、「条例第23条及び第26条の規定により、火の使用に関する制限等が遵守されていること」を挙げています(火災予防規則第7条第1項第3号)。売場の禁止行為(第23条)と、がん具用煙火の取扱い(第26条)は、点検でも確認される項目です。点検の対象になる防火対象物かどうかは、別の記事で説明しています。

売場の壁際の消火器

8. まとめ

覚えておきたいポイント

・玩具用花火は、条例の語では「がん具用煙火」にあたると考えられます。

・貯蔵・取扱いの基準は条例第26条です。消費の場所、炎・火花・高温体との接近、容器またはおおいの3つを定めています。

・容器またはおおいは、火薬類取締法施行規則第91条第2号の数量の5分の1以上、同号の数量以下が対象です。

・数量は原料をなす火薬または爆薬の数量で、25キログラム(爆薬の区分は5キログラム)以下です。

・売場では、消防長が指定した場所で、喫煙、裸火、危険な物品の持込みが禁止されます(条例第23条)。

・煙火の打上げ・仕掛けの届出は、がん具用煙火を除きます。

・火災警報が出ている間は、条例第29条の制限に従います。

・消火器は、用途、延べ面積、階と床面積などで決まります。

・不明な場合は、管轄の消防本部に確認してください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の建物や店舗への適用を保証するものではありません。実際の取り扱いは、管轄の消防本部に確認してください。

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