消防訓練の前に消防機関へ出す通知書は、訓練を行うことを「あらかじめ」通報するための書類です。防火管理者を置く建物で消防訓練の担当を任されると、この通知書をどう書けばよいのかを、最初に確かめたくなります。飲食店や店舗などでは、訓練の前に消防機関へ通報することが決まっているため、書く内容を先に知っておくと、準備が進めやすくなります。書く中身は、訓練の「いつ、どこで、だれが、何をするか」で、様式は消防本部ごとに異なるのが一般的です。この記事を読むと、通知書の役割と書く内容、訓練のあとの記録について知ることができます。
1. 消防訓練実施計画通知書は、何のために出すのか
消防訓練の前に消防機関へ出す書類です。飲食店、物販店、旅館、病院などの特定防火対象物((十六の三)項を除く)では、年2回以上の消火訓練と避難訓練を行うことが決められています(消防法施行規則第3条第10項)。その訓練を行うときは、あらかじめ消防機関に通報することも決まっています。
前項の防火管理者は、同項の消火訓練及び避難訓練を実施する場合には、あらかじめ、その旨を消防機関に通報しなければならない。(消防法施行規則第3条第11項)
この通報は、「消防訓練実施計画通知書」で行います。条文が定めているのは「あらかじめ」「その旨を消防機関に通報」までです。通知書の様式は、消防本部ごとに異なるのが一般的です。使う様式は、管轄の消防本部に確認してください。
訓練そのものの回数や進め方は、下の記事で説明しています。自分の建物が特定防火対象物かどうかは、見分け方の記事で確かめられます。

2. 通知書に書く項目
通知書は、訓練の「いつ、どこで、だれが、何をするか」を伝える書類です。ここでは、一般的に書く内容を挙げます。
| 項目 | 書く内容 | 記入例(仮) |
|---|---|---|
| 年月日 | 通知書を提出する日 | 令和○年○月○日 |
| あて先 | 通報する消防機関(管轄の消防本部または消防署) | 様式に印刷されているとおり |
| 防火管理者の氏名 | 選任されている防火管理者個人の氏名 | ○○ ○○ |
| 防火対象物の所在地 | 訓練を行う建物の所在地 | 栃木県○○市○○町○丁目○番地 |
| 防火対象物の名称 | 建物や施設の名称 | ○○レストラン |
| 令別表第一の項 | 建物の用途にあたる項 | 飲食店は(三)項ロ、物販店は(四)項 |
| 実施予定日時 | 訓練の日付と、開始・終了の時刻 | ○月○日(水)14時00分から15時00分まで |
| 訓練の種類 | 行う訓練(消火訓練、通報訓練、避難訓練など) | 消火訓練、通報訓練、避難訓練 |
| 参加予定人員 | 訓練に参加する人数 | ○名 |
| 問合せ先 | 訓練の担当者の氏名と電話番号 | 担当 ○○、電話 ○○-○○○○-○○○○ |
| 訓練概要 | 想定と、行う内容 | 下の記入例 |
訓練概要は、「どこで」「何が起き」「何を行うか」が分かるように書きます。
「3階の厨房から出火し、客席に逃げ遅れた人がいる」という想定で、119番通報訓練、館内放送、初期消火訓練、避難誘導訓練を行う。

3. 取り違えやすい点
用途の項は、令別表第一で確かめます。 飲食店は(三)項ロ、物販店は(四)項です(消防法施行令別表第一)。項の数字の見分け方は、章末の記事で説明しています。
訓練の種類は、実際に行うものを選びます。 特定防火対象物で年2回以上と決められているのは消火訓練と避難訓練です(消防法施行規則第3条第10項)。通報訓練も行う場合は、あわせて書きます。
日時は、開始と終了の両方を書くと伝わりやすくなります。 日付だけ、開始時刻だけでは、訓練がいつ終わるのかが伝わりません。

4. 訓練のあとの記録と、結果報告書
訓練が終わったら、結果を記録に残します。次の訓練の計画を立てるときに、見返せるようにするためです。残す内容は、実施した日時と場所、参加した人数、行った訓練の種類と内容、振り返りで出た直す点です。
訓練の結果を消防機関に報告する書類(結果報告書)について、条文が定めているのは、年2回以上の訓練と、事前の通報までです(消防法施行規則第3条第10項・第11項)。結果報告書を提出するかどうかや、非特定防火対象物の事前の通報の扱いなど、不明な場合は、管轄の消防本部に確認してください。

5. まとめ
覚えておきたいポイント
・飲食店、物販店、旅館、病院などの特定防火対象物((十六の三)項を除く)は、年2回以上の消火訓練と避難訓練を行います。
・訓練を行うときは、あらかじめ消防機関に通報します(消防法施行規則第3条第11項)。
・事前の通報は、消防訓練実施計画通知書で行います。
・通知書には、建物の所在地・名称・項、訓練の日時と種類、参加人員、問合せ先、訓練概要を書きます。
・令別表第一の項は、建物の用途から確かめます。飲食店は(三)項ロです。
・訓練が終わったら、日時、場所、参加人数、内容、直す点を記録に残します。
・不明な場合は、管轄の消防本部に確認してください。
複雑な届出は、専門家に依頼する方法もあります
届出書など、書類の作成や提出が難しいと感じるときは、行政書士などの専門家に依頼するのも一つの方法です。なお、建物がどの項に当たるかは、管轄の消防本部に確認します。依頼すると、たとえば次のような点で、手間を減らせる場合があります。
・届出書の書式の選び方を相談できるため、書類を作り直す手間を減らせる場合があります。
・添える書面の確認を任せられるため、書類の不足や取り違えに気づきやすくなる場合があります。
・提出までの段取りを整理できるため、役所に出向く回数や、書類を何度も見直す手間を減らせる場合があります。
どの書類を任せられるかは、あらかじめ確認します。相談するかどうかは、ご自身で判断してください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の建物や店舗への適用を保証するものではありません。実際の取り扱いは、管轄の消防本部に確認してください。

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