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消防設備士の類の選び方。特類から7類までの対象設備と、甲種・乙種の違いを解説

消防設備士の類の選び方。特類から7類までの対象設備と、甲種・乙種の違いを解説

同じ消防設備士の免状でも、類によって扱える設備が違い、甲種か乙種かで工事ができるかどうかも変わります。資格を調べ始めると、免状が特類から7類まで分かれていて、どの類を取ればよいのかが分かりにくくなります。建物の設備の工事や整備を頼む側でも、「この設備には何類の免状が要るのか」が最初の疑問になります。試験の内容も、類によって違います。受験者数と合格率は、消防試験研究センターが公表している数字によります。この記事を読むと、類と設備の対応、甲種と乙種の違い、試験の違い、受験者数と合格率について知ることができ、類を選ぶ手がかりになります。

目次

1. 類は、扱う設備ごとに8つに分かれている

消防設備士の類は、特類、1類、2類、3類、4類、5類、6類、7類の8つです。扱える設備は、類ごとに決まっています(消防法施行規則第33条の3)。

類 扱う設備 甲種 乙種
特類 特殊消防用設備等 ○ −
1類 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備 ○ ○
2類 泡消火設備 ○ ○
3類 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備 ○ ○
4類 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備 ○ ○
5類 金属製避難はしご、救助袋、緩降機 ○ ○
6類 消火器 − ○
7類 漏電火災警報器 − ○

(−は、その種類の免状がないことを示します)

設備の性格で分けると、1類から3類と6類は消火に使う設備、4類と7類は火災を知らせる設備、5類は避難に使う設備です(消防法施行令第7条)。5類の金属製避難はしご、救助袋、緩降機は、避難器具にあたります(消防法施行令第7条第4項)。

特類の「特殊消防用設備等」は、従来の消防用設備等に代わるものとして、総務大臣が、同等以上の性能があると認定した設備等です。消防試験研究センターの令和8年度の試験案内には、そのように説明されています。

同じ試験案内には、パッケージ型消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備、特定小規模施設用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備なども、各類の扱う設備として載っています。たとえば、パッケージ型消火設備は1類から3類に、共同住宅用スプリンクラー設備は1類に、特定小規模施設用自動火災報知設備と住戸用自動火災報知設備は4類に載っています。消防法施行規則は、「必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等」の工事や整備の種類を、消防庁長官が定めるとしています(消防法施行規則第33条の3第2項・第4項)。

消火器と点検用の工具

2. 甲種と乙種の違いは、工事ができるかどうか

甲種は、設置に係る工事と整備を行えます。乙種が行えるのは整備です(消防法第17条の5、第17条の6)。消防試験研究センターの令和8年度の試験案内では、甲種は工事・整備・点検、乙種は整備・点検ができると説明されています。

甲種の類は、特類と1類から5類までで、6類と7類はありません。乙種の類は、1類から7類までで、特類はありません(消防法施行規則第33条の3)。そのため、消火器(6類)と漏電火災警報器(7類)に関する免状は、乙種だけです。

消火器の整備は、免状が必要な整備に挙げられています(消防法施行令第36条の2第2項第二号)。免状がなくても行える軽微な整備の範囲は、別の記事で説明しています。

受験資格にも違いがあります。乙種は受験資格が必要ありません。甲種は、学歴、乙種免状による整備の経験、電気工事士などの資格、実務経験のいずれかが必要です。詳しい条件は、別の記事で説明しています。

特類は、甲種だけの類です。受験資格の条件は、消防設備士とはの記事で説明しています。試験は筆記のみで、実技はありません(消防法施行規則第33条の9)。甲種特類の試験には、一部免除もありません。

また、乙種の免状では、甲種の科目免除を受けられません(センターの令和8年度試験案内)。

3. 試験の内容は、類によって電気と機械の問題が変わる

どの類でも、消防関係法令の問題があります。甲種は15問(共通8問、類別7問)、乙種は10問(共通6問、類別4問)です。類によって違うのは、基礎的知識と、構造・機能・工事・整備の問題で、電気の問題がある類と、機械の問題がある類に分かれます。

類 基礎的知識 構造・機能・工事・整備
甲種1類・2類・3類 機械6問、電気4問 機械10問、電気6問、規格4問
甲種4類 電気10問 電気12問、規格8問
甲種5類 機械10問 機械12問、規格8問
乙種1類・2類・3類 機械3問、電気2問 機械8問、電気4問、規格3問
乙種4類・7類 電気5問 電気9問、規格6問
乙種5類・6類 機械5問 機械9問、規格6問

(センターの令和8年度試験案内)

電気の問題だけの類は4類と7類、機械の問題だけの類は5類と6類、両方ある類は1類から3類です。筆記の問題数は、甲種が45問、乙種が30問です。表の「規格」は、センターの表の区分名で、構造・機能・工事・整備の問題数の内訳として示されています。

実技は、甲種が鑑別等5問と製図2問、乙種が鑑別等5問です。鑑別等と製図は、写真、イラスト、図面などを使った記述式の問題です(センターの令和8年度試験案内)。製図があるのは、甲種の1類から5類のすべてで、乙種には製図がありません。甲種の特類は、筆記のみで、法令、構造・機能・工事・整備、火災と防火に関する知識が各15問、計45問です。

試験の中身を類ごとに知りたいときは、消火器の6類、自動火災報知設備などの4類、屋内消火栓設備やスプリンクラー設備などの1類について、それぞれ別の記事で説明しています。すでに免状を持っている人が別の類を受けるときの科目免除は、別の記事で説明しています。

天井の感知器

4. 類ごとの受験者数と合格率

消防試験研究センターは、試験実施状況を公表しています。ここに示すのは、令和8年4月から8月までに実施された試験の集計と、令和7年度の同じ時期の合格率です。年間の数字ではありません。

類 受験者数(令和8年4〜8月) 合格率(令和8年4〜8月) 合格率(令和7年度の同時期)
甲種特類 627人 28.5% 35.7%
甲種1類 5,065人 34.2% 27.3%
甲種2類 2,053人 34.0% 24.4%
甲種3類 1,821人 28.9% 31.2%
甲種4類 9,137人 35.7% 34.3%
甲種5類 1,770人 43.6% 33.9%
甲種計 20,473人 35.0% 31.3%
乙種1類 735人 35.5% 30.1%
乙種2類 303人 24.4% 30.9%
乙種3類 305人 28.5% 25.4%
乙種4類 3,414人 35.1% 32.8%
乙種5類 432人 46.3% 36.0%
乙種6類 13,640人 37.2% 35.0%
乙種7類 2,565人 66.4% 63.6%
乙種計 21,394人 40.2% 37.7%

(センター「試験実施状況」の令和8年4月〜8月の途中集計。表の令和7年度の同時期は、センターが昨年度同時期の値として示している数字です。取得日 2026-11-02)

受験者数が最も多いのは乙種6類で、甲種4類、甲種1類が続きます。乙種2類と乙種3類は、300人台です。合格率は、類によって違い、令和7年度の同時期と比べても数字が動いています。最新の数字は、センターの試験実施状況で確認してください。

書類ファイルと筆記具

5. 類を選ぶ手がかり。受ける人と、設備を頼む人の見方

受ける人は、扱いたい設備、工事までするか、試験の問題の順に考えると、類を決めやすくなります。

扱いたい設備が決まっているときは、第1章の表の類です。たとえば、消火器の整備なら乙種6類、自動火災報知設備の設置工事までなら甲種4類、避難器具の整備なら乙種5類または甲種5類になります(消防法施行規則第33条の3)。工事までするかどうかで、甲種か乙種かが分かれます。工事をするなら甲種で、消火器と漏電火災警報器の整備だけなら、乙種の6類と7類です。甲種は受験資格が必要で、乙種は必要ありません。

試験の問題は、電気か機械かで分かれます(第3章)。すでに免状や電気工事士の免状などを持っているときは、免除される科目も、類を選ぶ手がかりになります。免除の内容は、別の記事で説明しています。

設備の工事や整備を頼む人は、頼む設備と作業から、確認する免状を決めます。免状の交付を受けていない人は、政令で定める設備の設置に係る工事と整備を行えないためです(消防法第17条の5)。免状が必要な範囲は、設備の電源の部分や、設備によっては水源と配管の部分を除いたものです(消防法施行令第36条の2)。例を挙げます。

  • 自動火災報知設備を新しく設置する工事は、工事ができる甲種で、4類の免状が必要です(消防法第17条の6第2項、消防法施行規則第33条の3第1項)。
  • すでにある自動火災報知設備の整備は、甲種または乙種の4類の免状が必要です(消防法施行規則第33条の3第1項・第3項)。
  • スプリンクラー設備の設置工事は、甲種の1類の免状が必要です(消防法施行規則第33条の3第1項)。
  • 泡消火設備の設置工事は甲種の2類、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備の設置工事は甲種の3類の免状が必要です(消防法施行規則第33条の3第1項)。
  • 固定式の金属製避難はしご、救助袋、緩降機の設置工事は、甲種の5類の免状が必要です(消防法施行令第36条の2第1項、消防法施行規則第33条の3第1項)。
  • 消火器の整備(軽微な整備を除きます)は乙種の6類、漏電火災警報器の整備は乙種の7類です(消防法施行規則第33条の3第3項)。

免状が必要なのは工事と整備で、点検は、免状がなくても、総務省令で定める資格を持つ人が行える場合があります(消防法第17条の3の3)。どの建物でだれが点検するかは、別の記事で説明しています。

6. まとめ

覚えておきたいポイント

・消防設備士の類は特類と1類〜7類の8つで、扱う設備は類ごとに決まっています。

・1類は屋内消火栓設備など、2類は泡消火設備、3類は不活性ガス・ハロゲン化物・粉末の消火設備、4類は自動火災報知設備など、5類は避難器具、6類は消火器、7類は漏電火災警報器です。

・工事までできるのは甲種(特類〜5類)です。消火器の6類と漏電火災警報器の7類は、乙種だけです。

・乙種は受験資格が必要なく、甲種は必要です。特類の受験資格は、別の記事で説明しています。

・試験は、4類・7類は電気、5類・6類は機械、1類〜3類は電気と機械の両方の問題があります。

・受験者数や合格率は、消防試験研究センターの試験実施状況で公表されています。

・試験の最新情報は、消防試験研究センターの案内で確認してください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、受験資格や科目免除の適用を保証するものではありません。実際の取り扱いは、消防試験研究センターの案内で確認してください。

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