消防設備士の6類を受けることにしました。どんな試験で、何から勉強すればよいのかを、まず確かめたくなります。6類は消火器の整備に関する免状で、乙種だけがあります。試験は科目ごとに出題の構成が決まっているため、科目ごとに学習の進め方も変わります。問題数と試験時間は、消防試験研究センター(以下、センター)の令和8年度試験案内によります。消火器の整備を頼む側が確認する免状は第1章で触れます。この記事を読むと、出題構成から科目ごとの学習の進め方、免除と合格後の手続きについて、消防法令とセンターの案内に沿って知ることができます。
1. 6類の免状でできることと、頼む側の確認点
6類は、消火器の整備に関する免状です。消防設備士免状は甲種と乙種の2種類で(消防法第17条の6第1項)、消火器の指定区分があるのは乙種の6類だけです。甲種に6類はありません(消防法施行規則第33条の3第1項・第3項)。
乙種消防設備士が行えるのは整備で、工事は含まれません(消防法第17条の6第2項、消防法施行規則第33条の3第3項)。免状の交付を受けていない人は、政令で定める消防用設備等の、設置に係る工事と整備を行ってはならないとされています(消防法第17条の5)。政令が挙げる設置の工事に、消火器は入っていませんが、整備の対象には入っています(消防法施行令第36条の2第1項・第2項第二号)。ただし、政令は整備から、総務省令で定める軽微な整備を除いています。その範囲は、別の記事で説明しています(消防法施行令第36条の2第2項)。
設備を頼む側から見ると、消火器の整備を頼む相手に確認するのは、乙種6類の免状です。6類は消火器だけを扱う類で、屋内消火栓設備は1類、自動火災報知設備は4類と、設備ごとに類が分かれています(消防法施行規則第33条の3第3項)。センターの令和8年度の試験案内でも、6類の欄は消火器だけで、パッケージ型消火設備などは1類から3類の欄に載っています。
消火設備には、消火器のほかに、水バケツ、水槽、乾燥砂、膨張ひる石または膨張真珠岩の簡易消火用具もあります(消防法施行令第7条第2項第一号)。消防法施行令第36条の2に挙がっているのは、このうち消火器だけです(消防法施行令第36条の2第2項第二号)。
消火器の点検は、整備とは別の決まりです。点検をだれが行うかは、消防設備士とはの記事で説明しています。
くわしく知りたい方へ
・消防設備士とは。工事・整備・点検でできることと、免状・試験の仕組みをやさしく解説
・消防用設備等の点検とは。点検の周期と、報告の義務をやさしく解説

2. 受験資格と、試験の方法
乙種の6類には受験資格の定めがなく、受験資格を証明する書類を出す必要もありません(消防法第17条の8第4項、消防法施行規則第33条の13第1項)。受験資格の全体は、消防設備士とはの記事で説明しています。
試験は、筆記試験と実技試験で行います(消防法施行規則第33条の9第2号)。筆記の科目は3つで、機械または電気に関する基礎的知識、消防用設備等の構造、機能と工事または整備の方法、消防関係法令です(消防法施行規則第33条の10第2項)。筆記は、4つの選択肢から選ぶ方式で、マークシートに記入します。実技は、鑑別等で、写真、イラスト、図面などを使った記述式です。
試験の実施場所と受験地は、消防設備士とはの記事で説明しています。日程と受付期間は、受験する支部ごとに異なります。
乙種の試験手数料(消費税非課税)は、令和8年度の試験案内では4,400円です。一度払い込んだ手数料は返金されません。申請は、電子申請と書面申請の2通りがあり、日程や申請の方法は、受験する都道府県の支部の案内で確認してください。
くわしく知りたい方へ
3. 出題の構成
6類の試験は、筆記30問と実技5問です。電気に関する問題はありません。センターの一覧表では、試験問題がない欄に「–」の印が付けられています。
| 区分 | 科目 | 問題数 |
|---|---|---|
| 筆記 | 消防関係法令 | 10問(共通6問、6類に関する4問) |
| 筆記 | 機械に関する基礎的知識 | 5問 |
| 筆記 | 消防用設備等の構造、機能と工事・整備の方法 | 15問(機械9問、規格6問) |
| 実技 | 鑑別等 | 5問 |
(センターの令和8年度試験案内、乙種の一覧表)
消防関係法令の「共通」は、すべての指定区分に共通する内容の部分です。この部分には、ほかの類を受験するときの免除の定めがあります(消防法施行規則第33条の11第4項第1号)。「類別」は、その類に関する部分です。構造、機能と工事・整備の方法の「機械」は機械に関する問題、「規格」は、センターの表の区分名で、構造・機能と工事・整備の科目の内訳として示されています。実技の「鑑別等」は、写真、イラスト、図面などを見て答える記述式です。
試験時間は、筆記が1時間30分、実技が15分で、合計1時間45分です。筆記試験と実技試験は、同じ試験時間の中で行われ、免除を受けると、免除される問題数に応じて短くなります。
筆記30問の内訳は、法令10問、基礎的知識5問、構造・機能・整備15問です。構造・機能・整備が、筆記の半分を占めています。

4. 試験当日の決まりと、合格発表
合格の基準は、筆記は科目ごとに40%以上、かつ全体で60%以上、実技は60%以上です(消防法施行規則第33条の11の2)。免除を受けた場合の判定は、消防設備士とはの記事で説明しています。
試験当日は、写真を貼った受験票がないと、受験できません。持ち物は、受験票(縦4.5cm、横3.5cmの写真をのり付けしたもの)、鉛筆またはシャープペンシル(HBまたはB)、プラスチック消しゴムです。ボールペンなどでマークすると、機械が読み取れず、0点となることがあります。
参考書や法令集などは、見ることができません。携帯電話、スマートフォン、スマートウォッチなどの電子機器は、電源を切ってカバンなどにしまいます。不正行為は失格となります(センターの令和8年度試験案内)。電卓や、テンプレートなどの定規類も、試験会場では使えません(センターの消防設備士試験のページ)。
合格発表は、東京試験の案内では、合格発表日に中央試験センターの掲示板で合格者の受験番号を公示します。センターのホームページにも、原則として合格発表日の正午から、合格者の受験番号が掲載されます。試験結果通知書は、受験者全員に郵送されます。センターは、試験の内容、解答、合否、採点結果などに関する問い合わせには、応じられないとしています。
5. 科目ごとの学習の進め方
学習の順序は、法令の定めやセンターの案内にあるものではありません。ここでは、センターの表の問題数と、合格基準を手がかりに、順序を組み立てました。
免除がない場合、科目ごとの40%は、法令10問なら4問、基礎的知識5問なら2問、構造・機能・整備15問なら6問です。全体の60%は、筆記30問のうち18問です。
構造・機能・整備(15問)から始めます。 筆記の半分を占める科目で、学習の時間も、この科目に多く配ります。6類では、消火器の構造、機能、整備の方法が対象で、機械が9問、規格が6問です。テキストの図と、実物や写真を照らし合わせると、部品の名前と働きが結びつきやすくなります。
基礎的知識(機械、5問)を重ねます。 6類は、基礎的知識が機械だけで、電気の問題がありません。5問でも、科目ごとに40%以上が求められるため、2問以上の正答が必要です。短い科目でも、手を付けないままにはできません。
法令(10問)は、共通と類別を分けて見ます。 共通の6問は、ほかの類の試験にも通じる内容で、類別の4問が、6類に関する部分です。共通の部分は、免状を取ったあとに別の類を受けるとき、免除の対象になります。
実技(鑑別等、5問)は、筆記の内容と結びつけます。 実技は記述式で、写真やイラスト、図面などを見て答えます。筆記は選択肢から選びますが、実技では、名称や働きを自分で書く必要があります。筆記で学んだ部品や構造を、写真やイラストと対応させて覚えておくと、実技の準備にもなります。実技が免除されるのは、5年以上消防団員として勤務し、消防学校の機関科を修了した人に限られ(消防法施行規則第33条の11第6項)、成績は60%以上が必要です。
過去に出題された問題を見ます。 センターは、過去に出題された問題の一部を、受験の参考として公開しています。公開されているのは令和7年度以前の問題で(令和8年6月更新)、甲種試験と乙種試験の項目に分かれています。掲載した問題の内容に関する問い合わせには、応じられません。著作権はセンターにあり、学校での配布や、ご自身の学習のためのプリントアウトなど、教育目的(非営利)の場合を除いて、許可のない複製や転用などの二次利用は禁止されています。
筆記は科目ごとに40%以上が必要です。問題数の多い構造・機能・整備を軸にしつつ、5問の基礎的知識も、2問以上の正答が必要です。

6. 免除と、合格後の手続き
免除は、すでに持っている免状や資格に応じて受けられる場合があり、申請が必要です(消防法施行規則第33条の11)。6類の場合、ほかの類の免状があると、消防関係法令の共通部分が免除され、甲種5類と乙種5類の免状では、基礎的知識(機械)も免除されます。6類には電気の問題がないため、電気工事士や電気主任技術者の免状による免除はありません。免除の全体と、証明書類は、別の記事で説明しています。
合格後の免状の交付申請と、免状を受けたあとの講習は、消防設備士とはの記事で説明しています。
くわしく知りたい方へ
・消防設備士とは。工事・整備・点検でできることと、免状・試験の仕組みをやさしく解説
・消防設備士の科目免除とは。免状や電気工事士の資格で免除される科目と、申請の手続き
・消防設備士の類の選び方。特類から7類までの対象設備と、甲種・乙種の違いを解説
7. まとめ
覚えておきたいポイント
・6類は消火器の整備に関する免状で、乙種だけにあります。乙種ができるのは整備で、工事は含まれません。
・乙種は、受験資格の定めがありません。
・試験は筆記30問と実技5問です。筆記は法令10問、基礎的知識(機械)5問、構造・機能・整備15問で、電気の問題はありません。試験時間は1時間45分です。
・合格基準は、筆記は科目ごとに40%以上、全体で60%以上、実技は60%以上です。
・学習は、問題数の多い構造・機能・整備を軸に、基礎的知識と法令を重ね、実技は筆記の内容と結びつけます。
・試験当日は、写真を貼った受験票が必要で、参考書や電子機器は使えません。
・試験の最新情報は、消防試験研究センターの案内で確認してください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、受験資格や科目免除の適用を保証するものではありません。実際の取り扱いは、消防試験研究センターの案内で確認してください。

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[…] 問題の出され方は、センターが公開している過去に出題された問題が参考になります。公開の範囲と利用の条件は、消防設備士6類(消火器)の試験。出題構成と、学習の進め方をやさしく解説と、センターの過去に出題された問題のページで確認できます。 […]