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消防用設備等の点検とは。点検の周期と、報告の義務をやさしく解説

消防用設備等の点検とは。点検の周期と、報告の義務をやさしく解説

消防用設備等の点検結果の報告は、特定防火対象物が1年に1回、非特定防火対象物が3年に1回と、建物によって周期が分かれています。建物に消防用設備等を設置したあと、その点検をだれが行い、結果をいつ消防に報告するのか、はっきりしない方もいるでしょう。点検と報告は防火対象物の関係者の義務で、点検を資格を持つ人に任せるか自分で行うかは、防火対象物によって決まっています。同じ設備でも、建物によって答えが分かれます。この記事を読むと、点検をする人と、点検と報告の周期について、消防法令の定めに沿って知ることができます。

目次

1. 点検と報告は、防火対象物の関係者の義務です

消火器や自動火災報知設備などの消防用設備等は、定期に点検し、その結果を消防長または消防署長に報告します。これを行う義務を負うのは、防火対象物の関係者(所有者、管理者または占有者)です(消防法第2条第4項)。防火管理者ではありません。

条文の該当部分は、こうなっています。

(前略)定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。

(消防法第17条の3の3)

防火管理者の業務には「消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備」が挙がっています(消防法第8条第1項)。ここで説明する定期点検と報告は、消防法第17条の3の3に定められた別の決まりです。

消防用設備等の点検

2. 点検をするのは、資格を持つ人か、関係者自身か

点検を資格を持つ人に任せるのか、自分で行うのかは、防火対象物によって決まっています。

政令で定める防火対象物では、消防設備士免状の交付を受けている人か、総務省令で定める資格を持つ人が点検します。それ以外の防火対象物では、関係者が自ら点検します(消防法第17条の3の3)。

総務省令で定める資格を持つ人とは、消防設備士、電気工事士など、第7項各号のいずれかに当たる人が、登録講習機関(消防庁長官の登録を受けた法人)の講習を修了し、免状の交付を受けた「消防設備点検資格者」です(消防法施行規則第31条の6第7項)。資格ごとに点検できる設備の種類は、消防庁長官が定めます(同条第6項)。

どの防火対象物が資格者による点検の対象になるのかは、消防法施行令で別に定められています。報告の対象から除かれる防火対象物の範囲も、同じく政令で定められています(消防法第17条の3の3)。自分の建物が当たるかどうか、不明な場合は、管轄の消防本部に確認してください。

消火器の点検

3. 点検の周期は、1年以内で定められています

消防用設備等の点検は、設備の種類と点検の内容に応じて、通常は一年以内で消防庁長官が定める期間ごとに行います(消防法施行規則第31条の6第1項)。新型インフルエンザ等そのほか消防庁長官が定める事由があって、期間ごとの点検が困難なときは、消防庁長官がその事由を勘案して別の期間を定めます(同条第4項)。

点検の結果は、維持台帳に記録します(消防法施行規則第31条の6第3項)。維持台帳とは、消防用設備等の届出書類の写し、検査済証、報告書の写し、工事や整備などの経過一覧表、その他、維持管理に必要な書類を綴じたものです。

点検の方法と、結果を報告する書類の様式は、消防庁長官が定めます(消防法施行規則第31条の6第5項)。

この章のポイント

点検の周期と、消防への報告の周期は別の決まりです。点検は通常1年以内の期間ごと、報告は第4章の区分(1年に1回または3年に1回)で行います。

点検の記録のファイル

4. 報告の周期は、特定か非特定かで変わります

点検の結果を消防長または消防署長に報告する周期は、特定防火対象物は1年に1回、非特定防火対象物は3年に1回です(消防法施行規則第31条の6第3項)。

区分 点検結果の報告の周期
特定防火対象物 1年に1回
非特定防火対象物 3年に1回

特定防火対象物は、多数の者が出入りする建物として法令が定めるものです(消防法第17条の2の5第2項第4号、消防法施行令第34条の4)。飲食店は(三)項ロ、物販店は(四)項、旅館・ホテルは(五)項イで、特定防火対象物です。工場は(十二)項イ、倉庫は(十四)項、事務所などの事業場は(十五)項、共同住宅は(五)項ロ、学校は(七)項で、非特定防火対象物にあたります。見分け方の詳細は、特定防火対象物と非特定防火対象物の違い。該当する項と、点検報告・訓練・防火管理者の基準で案内しています。

報告するのは、点検を資格者に任せた場合も、自ら点検した場合も、防火対象物の関係者です。点検や書類の作成を事業者に任せる場合でも、報告の義務を負うのは関係者です(消防法第17条の3の3)。

なお、報告の周期は、新型インフルエンザ等そのほか消防庁長官が定める事由があって、この周期での報告が困難なときは、消防庁長官が勘案して定める期間になります(消防法施行規則第31条の6第4項)。消防法施行令別表第一の(十九)項と(二十)項は、この周期の区分に含まれていません(同条第3項)。

報告書の提出

5. 報告をしない場合の罰則

点検結果の報告をせず、または虚偽の報告をした場合は、30万円以下の罰金または拘留(刑事施設に収容される刑)に処されます(消防法第44条第11号)。

6. まとめ

覚えておきたいポイント

・消防用設備等の定期点検と消防への報告は、防火対象物の関係者(所有者、管理者または占有者)の義務で、防火管理者ではありません。

・政令で定める防火対象物では、消防設備士免状の交付を受けている人か、消防設備点検資格者が点検します。それ以外の防火対象物では、関係者が自ら点検します。

・点検は、設備の種類と点検の内容に応じて、通常は一年以内で消防庁長官が定める期間ごとに行います。新型インフルエンザ等の事由があるときは、消防庁長官が別の期間を定めます。

・点検の結果は維持台帳に記録し、消防長または消防署長に報告します。

・報告の周期は、特定防火対象物が1年に1回、非特定防火対象物が3年に1回です。

・報告をせず、または虚偽の報告をした場合は、30万円以下の罰金または拘留です。

・不明な場合は、管轄の消防本部に確認してください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の建物や店舗への適用を保証するものではありません。実際の取り扱いは、管轄の消防本部に確認してください。

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