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(二)項の建物に必要な消防用設備等。キャバレー・遊技場・カラオケボックスなどの設置基準を設備ごとに解説

(二)項の建物に必要な消防用設備等。キャバレー・遊技場・カラオケボックスなどの設置基準を設備ごとに解説

キャバレーやカラオケボックス、遊技場、ダンスホールに必要な消防用設備等は、延べ面積だけでは決まらず、階、収容人員、個室の有無によって基準が変わります。これらの店は消防法施行令別表第一の(二)項にあたり、消火設備、警報設備、避難設備などの設備ごとに基準が定められているためで、その内容は消防法施行令の条文で順に確かめられます。店を開く計画の段階で、どの設備が要るのかを確かめておきたい場面があります。この記事を読むと、(二)項の店に必要な消防用設備等の基準について知ることができます。

目次

1. (二)項イ〜ニの建物と、基準の分かれ方

消防法施行令別表第一の(二)項は、4つに分かれています。

  • イ: キャバレー、カフェー、ナイトクラブその他これらに類するもの
  • ロ: 遊技場又はダンスホール
  • ハ: 性風俗関連特殊営業を営む店舗(ニ並びに(一)項イ、(四)項、(五)項イ及び(九)項イの用途に供されているものを除く)その他これに類するものとして総務省令で定めるもの
  • ニ: カラオケボックスその他遊興のための設備又は物品を個室(これに類する施設を含む)において客に利用させる役務を提供する業務を営む店舗で総務省令で定めるもの

ハとニの「総務省令で定めるもの」は、消防法施行規則第5条に具体的な店舗が定められています。ニには、カラオケボックスのほか、個室(これに類する施設を含む)でインターネットを利用させ、または漫画を閲覧させる役務を提供する店舗も挙がっています(消防法施行規則第5条第2項第1号)。

(二)項は、消防法が「多数の者が出入するもの」として政令で定める特定防火対象物にあたります(消防法第17条の2の5第2項第4号、消防法施行令第34条の4第2項)。特定防火対象物と非特定防火対象物の違いは、別の記事で説明しています。

消防法施行令第10条〜第29条の2の設備の基準で、イ〜ハとニを分けているのは、自動火災報知設備だけです(消防法施行令第21条第1項)。設置後の届出・検査でも、ニは分けて扱われます(消防法施行令第35条第1項)。ほかの設備は、消防法施行令の定めでは、(二)項としてイ〜ニに同じ基準がかかります。個室の感知器と警報音に関する消防法施行規則の定めは、ニにかかります(第3章)。

(二)項に当てはまる主な設備の基準を、早見表にしました。くわしい内容と例外は、第2章以降で説明します。

設備 (二)項の基準(主なもの)
消火器 面積に関係なく対象
屋内消火栓設備 延べ面積700㎡以上。地階・無窓階・4階以上の階は、床面積150㎡以上
スプリンクラー設備 地階を除く階数が11以上、平屋建以外で一定の部分の床面積の合計が6,000㎡以上、地階・無窓階・4階〜10階で床面積1,000㎡以上の階、ほか
自動火災報知設備 イ〜ハは延べ面積300㎡以上。ニは面積に関係なく対象
ガス漏れ火災警報設備 地階の床面積の合計が1,000㎡以上
漏電火災警報器 延べ面積300㎡以上(鉄網入りの壁などがある建築物)
消防機関へ通報する火災報知設備 延べ面積500㎡以上
非常警報設備 収容人員が50人以上。地階及び無窓階は20人以上
避難器具 2階以上の階または地階で、収容人員が50人以上
誘導灯・誘導標識 避難口誘導灯・通路誘導灯は建築物全体が対象。誘導標識も対象
排煙設備 地階・無窓階で床面積が1,000㎡以上
連結散水設備 地階の床面積の合計が700㎡以上

(消防法施行令第10条〜第12条、第21条〜第26条、第28条、第28条の2)

表に出てくる「無窓階」は、避難上または消火活動上有効な開口部を有しない階のことです(消防法施行規則第5条の5)。

2. 消火設備。消火器、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備ほか

消火器は、(二)項では面積に関係なく対象です(消防法施行令第10条第1項第1号イ)。小さなキャバレーやカラオケボックスでも、置く対象になります。物販店((四)項)や工場((十二)項)は延べ面積150㎡以上、事務所などの事業場((十五)項)は300㎡以上と、面積の基準があります(同項第2号イ・第3号)。少量危険物や指定可燃物を貯蔵し、または取り扱うときも対象です(同項第4号)。地階、無窓階、3階以上の階で、床面積が50㎡以上のものも対象です(同項第5号)。屋内消火栓設備やスプリンクラー設備などを設置した場合は、総務省令で定めるところにより、消火器の設置個数を減らせます(同条第3項)。本数の計算は、別の記事で説明しています。

屋内消火栓設備は、(二)項では延べ面積700㎡以上が対象です(消防法施行令第11条第1項第2号)。(一)項の500㎡以上より大きく、事務所などの1,000㎡以上より小さい面積です(同項第1号・第3号)。延べ面積が700㎡に届かなくても、地階、無窓階、4階以上の階は、床面積が150㎡以上で対象です(同項第6号)。指定可燃物(可燃性液体類に係るものを除く)を、危険物の規制に関する政令別表第四で定める数量の750倍以上貯蔵し、または取り扱う場合も対象です(同項第5号)。

屋内消火栓設備の面積の数値には、倍読みがあります。特定主要構造部を耐火構造とし、かつ、壁と天井の室内に面する部分の仕上げを難燃材料でした建築物は、3倍の数値になります。特定主要構造部を耐火構造とした、その他の建築物と、建築基準法第2条第9号の3イまたはロに該当し、かつ壁と天井の仕上げを難燃材料でした建築物は、2倍の数値になります。指定可燃物の基準(第5号)には、この倍読みがかかりません(消防法施行令第11条第2項)。

倍読みの例

延べ面積2,000㎡のカラオケボックス((二)項ニ)があるとします。

倍読みの条件に当たらない場合、基準の数値は700㎡で、2,000㎡は対象です。

特定主要構造部を耐火構造とし、壁・天井の仕上げを難燃材料でしている場合、基準の数値は700㎡の3倍の2,100㎡です。2,000㎡はこれに届かず、この基準では対象になりません。

特定主要構造部を耐火構造としているだけで、仕上げが難燃材料でない場合は2倍の1,400㎡です。2,000㎡は基準以上で、対象です。

地階の床面積の基準(第6号)も同じ倍読みがかかります。耐火構造とし、仕上げを難燃材料でしている場合、150㎡の3倍の450㎡以上の地階が対象です。

スプリンクラー設備は、(二)項では、4つの場合に設置します(消防法施行令第12条第1項)。

  • 地階を除く階数が11以上の建築物(第3号。総務省令で定める部分を除く)
  • 平屋建以外で、総務省令で定める部分以外の部分の床面積の合計が6,000㎡以上の建築物(第4号)
  • 指定可燃物(可燃性液体類に係るものを除く)を、危険物の規制に関する政令別表第四で定める数量の1,000倍以上貯蔵し、または取り扱う建築物その他の工作物(第8号)
  • 地階、無窓階、または4階以上10階以下の階で、床面積が1,000㎡以上のもの(第11号ロ。総務省令で定める部分を除く)

(二)項で地階を除く階数が11以上の建築物は、第3号で建築物全体が対象です。そのため、11階以上の階を対象とする第12号は、(二)項にはかかりません(同項第12号)。

第11号は、(二)項と(四)項は、地階・無窓階も、4階以上10階以下の階も、同じ1,000㎡以上です。(一)項、(三)項、(五)項イ、(六)項、(九)項イは、4階以上10階以下の階が1,500㎡以上と、基準が大きくなります(同号イ)。

消防法施行令第12条第1項第3号・第4号などの「総務省令で定める部分」のうち、耐火構造の壁・床で区画した部分を除く扱いは、(二)項の建物には使えません(消防法施行規則第13条第2項)。

屋外消火栓設備と動力消防ポンプ設備にも基準があります。屋外消火栓設備は、(二)項の建築物で、床面積(1階だけの建築物は1階、2階以上の建築物は1階と2階の合計)が、耐火建築物は9,000㎡以上、準耐火建築物は6,000㎡以上、その他は3,000㎡以上のものに設置します(消防法施行令第19条第1項)。動力消防ポンプ設備は、屋内消火栓設備の対象(第4号を除く)と、屋外消火栓設備の対象の建築物に設置するもので、屋外消火栓設備を設置したときなどは設置しないことができます(消防法施行令第20条第1項・第5項)。

屋内消火栓設備は、スプリンクラー設備などを技術上の基準に従って設置した場合、その有効範囲内の部分には設置しないことができます。屋外消火栓設備と動力消防ポンプ設備の場合は、1階と2階の部分に限られます(消防法施行令第11条第4項)。

廊下の消火設備

3. 警報設備。自動火災報知設備、通報設備、非常警報設備ほか

自動火災報知設備は、(二)項ニなら面積に関係なく対象です(消防法施行令第21条第1項第1号イ)。(二)項イ〜ハは、延べ面積300㎡以上が対象です(同項第3号イ)。(一)項、(三)項、(四)項も300㎡以上ですが、工場((十二)項)や倉庫((十四)項)は500㎡以上、事務所などの事業場((十五)項)は1,000㎡以上と、項ごとに違います(同項第3号〜第6号)。

延べ面積が300㎡に届かなくても、対象になる場合があります。

  • (二)項イ〜ハの地階または無窓階で、床面積が100㎡以上のもの(第10号)
  • (二)項の用途に供される部分が避難階以外の階にあり、その階から避難階または地上に直通する階段が2以上設けられていないもの。階段が屋外に設けられているとき、または総務省令で定める避難上有効な構造を有するときは、1以上あれば足ります(第7号)
  • 指定可燃物を、危険物の規制に関する政令別表第四で定める数量の500倍以上貯蔵し、または取り扱うもの(第8号)
  • 11階以上の階(第14号)
地階の例

地階にある延べ面積250㎡のダンスホール((二)項ロ)は、延べ面積300㎡以上の基準には届きません。ただし、地階で床面積が100㎡以上なので、第10号の対象です。階段や指定可燃物の条件(第7号・第8号)には当たらないものとします(消防法施行令第21条第1項第3号・第10号)。

感知器の種類は、場所によって消防法施行規則が定めています。階段には煙感知器を設けます。(二)項の廊下と通路、(二)項ニの遊興のための設備または物品を客に利用させる個室(これに類する施設を含む)には、煙感知器または熱煙複合式スポット型感知器を設けます(消防法施行規則第23条第5項第1号・第2号・第3号の2)。

警報音の聞こえ方にも、(二)項らしい定めがあります。地区音響装置を、ダンスホール、カラオケボックスその他これらに類するもので、室内または室外の音響が聞き取りにくい場所に設けるときは、他の警報音または騒音と明らかに区別して聞き取れるように措置します。(二)項ニで、遊興のためにヘッドホンやイヤホンなどを客に利用させる個室があるときは、その役務を提供している間も、個室で警報音を確実に聞き取れるように措置します(消防法施行規則第24条第5号イ(ロ)(ハ))。非常ベルや自動式サイレンの音響装置にも、同じ内容の定めがあります(消防法施行規則第25条の2第2項第1号イ(ロ)(ハ))。

スプリンクラー設備を設置しても、(二)項は自動火災報知設備を省けません。閉鎖型スプリンクラーヘッドを備えた設備を設置した部分に自動火災報知設備を設置しないことができる例外から、(二)項などが除かれているためです(消防法施行令第21条第3項、消防法施行規則第23条第2項)。

ガス漏れ火災警報設備は、(二)項の地階で、床面積の合計が1,000㎡以上のものが対象です(消防法施行令第21条の2第1項第4号)。温泉の採取のための設備で総務省令で定めるものを設置している建築物も、収容人員が総務省令で定める数以上なら対象です(同項第3号)。

漏電火災警報器は、間柱や下地を準不燃材料以外の材料で造った鉄網入りの壁、床、天井を有する建築物のうち、(二)項では延べ面積300㎡以上のものに設置します。契約電流容量が50アンペアを超える建築物も対象ですが、これも鉄網入りの壁などがある場合に限られます(消防法施行令第22条第1項柱書・第3号・第7号)。

消防機関へ通報する火災報知設備は、(二)項では延べ面積500㎡以上が対象です。飲食店((三)項)の1,000㎡以上より小さい面積から対象になります(消防法施行令第23条第1項第2号・第3号)。消防機関から著しく離れた場所など、総務省令で定める場所にある建築物は除かれます(同項ただし書)。消防機関へ常時通報できる電話を設置したときは、この火災報知設備を設置しないことができます(同条第3項)。

非常警報設備は、収容人員で決まります。(二)項は、収容人員が50人以上、または地階及び無窓階の収容人員が20人以上のとき、非常ベル、自動式サイレンまたは放送設備の設置が必要です。自動火災報知設備を消防法施行令第21条の基準で設置している場合は、その有効範囲内の部分は除かれます(消防法施行令第24条第2項第2号・ただし書)。収容人員が300人以上、地階を除く階数が11以上、または地階の階数が3以上のときは、非常ベルと放送設備、または自動式サイレンと放送設備の設置が必要です(同条第3項第2号・第4号)。自動火災報知設備などを設置している場合は、非常ベルまたは自動式サイレンを設置しないことができます(同条第5項)。

個室の天井の感知器

4. 収容人員の数え方。遊技場と、それ以外の違い

非常警報設備や避難器具の基準は、収容人員で決まります。(二)項の収容人員の数え方は、遊技場とそれ以外で違います(消防法施行規則第1条の3第1項)。

  • 遊技場は、従業者の数、遊技のための機械器具を使用して遊技を行うことができる者の数、観覧・飲食・休憩の用に供する固定式のいす席の数を足します。長いす式のいす席は、正面幅を0.5mで割った数です(1未満の端数は切り捨てます)。
  • 遊技場以外(キャバレー、ダンスホール、カラオケボックスなど)は、従業者の数と、客席の部分ごとに算定した数の合計を足します。固定式のいす席を設ける部分は、いす席の数です(長いす式は、正面幅を0.5mで割った数)。その他の部分は、床面積を3㎡で割った数です。
収容人員の例

遊技場で、従業者が4人、遊技のための機械器具で同時に遊技を行うことができる者が60人、固定式のいす席がない場合、収容人員は 4 + 60 = 64人です。

遊技場以外の施設で、従業者が5人、固定式のいす席が40席、いす席を設けない客席の部分が床面積90㎡の場合、90㎡を3㎡で割ると30です。収容人員は 5 + 40 + 30 = 75人です。

どちらも50人以上なので、非常ベル、自動式サイレンまたは放送設備の基準に当たります。300人には届かないため、収容人員の面では、非常ベルと放送設備を併せて設ける基準には当たりません(消防法施行令第24条第2項第2号・第3項第4号)。ただし、階数による基準(同条第3項第2号)は別に見ます。

収容人員は、防火管理者を定める基準にも使われます。(二)項は特定防火対象物のため、収容人員が30人以上のときに、防火管理者を定めます(消防法施行令第1条の2第3項第1号ロ)。収容人員の数え方は、用途によって違います。ほかの用途の数え方は、別の記事で説明しています。

5. 避難設備。避難器具と誘導灯

避難器具は、(二)項では、2階以上の階(特定主要構造部を耐火構造とした建築物の2階を除きます)または地階で、収容人員が50人以上のものに設置します(消防法施行令第25条第1項第3号)。避難階と11階以上の階は、この基準から除かれます(同条第1項柱書)。設置の個数は、収容人員が200人以下のときは1個以上、200人を超えるときは1個に200人までを増すごとに1個を加えた個数以上です。建築物の位置、構造または設備の状況により避難上支障がないと認められるときは、総務省令で定めるところにより、個数を減らし、または設置しないことができます(同条第2項第1号)。

階段の数による基準もあります。避難階または地上に直通する階段が2以上設けられていない階で、収容人員が10人以上のものは、避難器具の設置が必要です。この基準は、一般の用途では3階以上の階が対象ですが、(二)項と(三)項は2階以上の階が対象です。階に、避難上有効な開口部を有しない壁で区画された部分があるときは、その区画された部分から見ます(消防法施行令第25条第1項第5号)。この基準の設置個数は、収容人員が100人以下のときは1個以上、100人を超えるときは1個に100人までを増すごとに1個を加えた個数以上です(同条第2項第1号)。

階の例

2階にあり、収容人員が30人のカラオケボックスがあり、避難階または地上に直通する階段が1つだけだとします。収容人員30人は、50人以上の基準(第3号)には届きません。ただし、(二)項は2階以上の階を見て、階段が2以上設けられていない階で収容人員が10人以上なので、第5号の対象です(消防法施行令第25条第1項第3号・第5号)。

誘導灯と誘導標識は、(二)項では、避難口誘導灯、通路誘導灯、誘導標識が、それぞれ設置の対象です(消防法施行令第26条第1項第1号・第2号・第4号)。避難口誘導灯と通路誘導灯は、(二)項では建築物全体が対象です。工場、倉庫、事務所などは、地階、無窓階、11階以上の部分に限られます(同項第1号・第2号)。客席誘導灯は(一)項の用途に供される部分にかかる基準で、(二)項には当てはまりません(同項第3号)。誘導灯には、非常電源を付けます(同条第2項第4号)。誘導灯を技術上の基準に従って設置したときは、その有効範囲内の部分には、誘導標識を設置しないことができます(同条第3項)。

避難が容易であると認められるもので総務省令で定めるものは、設置の対象から除かれます(同条第1項ただし書)。避難口誘導灯では、居室の各部分から主要な避難口を容易に見とおし、かつ識別できる階で、その避難口までの歩行距離が、避難階は20m以下、避難階以外の階は10m以下のものが除かれます。通路誘導灯では、同じ条件で歩行距離が、避難階は40m以下、避難階以外の階は30m以下のものが除かれます(消防法施行規則第28条の2第1項第1号・第2項第1号)。

出入口の上の誘導灯

6. 消火活動上必要な施設と消防用水

消防隊の活動を支える施設と消防用水にも、(二)項に当てはまる基準があります。

  • 排煙設備: (二)項の地階または無窓階で、床面積が1,000㎡以上のもの(消防法施行令第28条第1項第3号)。排煙上有効な窓などの開口部が設けられている部分など、総務省令で定める部分は、設置しないことができます(同条第3項)。
  • 連結散水設備: 地階の床面積の合計が700㎡以上のもの(消防法施行令第28条の2第1項)。
  • 連結送水管: 地階を除く階数が7以上の建築物、または地階を除く階数が5以上で延べ面積が6,000㎡以上の建築物(消防法施行令第29条第1項第1号・第2号)。
  • 非常コンセント設備: 地階を除く階数が11以上の建築物(消防法施行令第29条の2第1項第1号)。
  • 消防用水: 敷地の面積が2万㎡以上あり、かつ床面積が、耐火建築物は1万5,000㎡以上、準耐火建築物は1万㎡以上、その他は5,000㎡以上の建築物。または、高さが31mを超え、延べ面積(地階に係るものを除く)が2万5,000㎡以上の建築物(消防法施行令第27条第1項)。

無線通信補助設備は、地下街((十六の二)項)にかかる基準で、(二)項は対象になりません(消防法施行令第29条の3)。

7. 設置後の届出・検査・点検と、既存の建物

(二)項に設備を設置したときは、届出と検査が必要です。(二)項ニは、延べ面積に関係なく、設備を設置したときに、消防長または消防署長に届け出て検査を受けます。(二)項イ〜ハは、延べ面積300㎡以上のものが対象です(消防法第17条の3の2、消防法施行令第35条第1項第1号イ・第2号)。避難階以外の階に(二)項の用途に供される部分があり、その階から避難階または地上に直通する階段が2以上(階段が屋外に設けられ、または総務省令で定める避難上有効な構造を有するときは1以上)設けられていない建築物も対象です(消防法施行令第35条第1項第4号)。簡易消火用具と非常警報器具は、この届出と検査の対象から除かれます(同条第2項)。届出は、工事が完了した日から4日以内に行います(消防法施行規則第31条の3第1項)。

工事の着手前には、甲種消防設備士が、政令で定める工事に着手しようとする日の10日前までに、着工の届出をします(消防法第17条の14)。

設置したあとは、定期の点検と報告が必要です。点検と報告は、(二十)項を除く防火対象物の関係者に義務があります(消防法第17条の3の3、消防法施行令第36条第1項)。(二)項は、延べ面積が1,000㎡以上のとき、消防設備士免状の交付を受けている者または総務省令で定める資格を有する者に点検させます。避難階以外の階に(二)項の用途に供される部分があり、階段が2以上(屋外階段などのときは1以上)設けられていない建築物も同じです(消防法施行令第36条第2項第1号・第3号)。報告は、(二)項は1年に1回です(消防法施行規則第31条の6第3項第1号)。

既存の建物にも、現行の基準が適用されます。消防法第17条の2の5第1項は、基準の施行または適用の際に現に存する防火対象物の消防用設備等には、従前の規定を適用すると定めていますが、同条第2項第4号により、特定防火対象物の消防用設備等には、この扱いが当てはまりません(消防法第17条の2の5)。(二)項は特定防火対象物のため、現行の基準が適用されます(個別の改正に付く経過措置は別です)。用途の変更で(二)項の用途になる場合も、変更後の用途が特定防火対象物の用途であるときは、同様に従前の規定の扱いが当てはまりません(消防法第17条の3第2項第4号)。

8. まとめ

覚えておきたいポイント

・(二)項は、イがキャバレー、ナイトクラブなど、ロが遊技場、ダンスホール、ハがイ・ロ・ニ以外に消防法施行規則第5条で定める店舗、ニがカラオケボックスなど個室で遊興のための設備等を客に利用させる店舗で、特定防火対象物です。

・消火器は面積に関係なく対象です。屋内消火栓設備は延べ面積700㎡以上で、面積の数値は構造と仕上げの条件で2倍または3倍になります。

・スプリンクラー設備は、地階・無窓階・4階〜10階で床面積1,000㎡以上の階、階数11以上、6,000㎡以上(一定の部分)などで対象です。

・自動火災報知設備は、イ〜ハが延べ面積300㎡以上、ニが面積に関係なく対象です。イ〜ハの地階・無窓階は、床面積100㎡以上で対象です。

・スプリンクラー設備を設置しても、(二)項は自動火災報知設備を省けません。

・個室があるときは、感知器の種類と、警報音の聞き取りの定めがあります。

・消防機関へ通報する火災報知設備は延べ面積500㎡以上、非常警報設備と避難器具は収容人員50人以上です。

・避難器具は、階段が2以上設けられていない階で収容人員が10人以上のとき、(二)項は2階以上の階が対象です。

・収容人員は、遊技場と遊技場以外で数え方が違います。防火管理者は収容人員30人以上で定めます。

・既存の建物にも、現行の基準が適用されます(個別の改正に付く経過措置は別)。

・不明な場合は、管轄の消防本部に確認してください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の建物や店舗への適用を保証するものではありません。実際の取り扱いは、管轄の消防本部に確認してください。

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