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特定小規模施設用自動火災報知設備とは。通常の自動火災報知設備との違いと、対象の建物

特定小規模施設用自動火災報知設備とは。通常の自動火災報知設備との違いと、対象の建物

建物の火災報知について調べると、「特定小規模施設用自動火災報知設備」が出てきます。通常の自動火災報知設備と何が違うのか、うちの建物でも使えるのかを、確かめたくなります。この設備は、特定小規模施設で、通常の自動火災報知設備に代えて用いることができるもので、総務省令で定められています。使えるかどうかは、建物の用途や、延べ面積・床面積などの条件で決まるため、似た建物でも答えが分かれます。面積などの数字は、条文に定められたものです。この記事を読むと、設備の位置づけ、対象となる特定小規模施設、設置と維持の基準について、条文に沿って知ることができます。

目次

1. 通常の自動火災報知設備に代えて用いることができる設備です

特定小規模施設用自動火災報知設備は、「特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令」(平成20年総務省令第156号。以下、この記事では「省令」と呼びます)で定められた設備です。この省令は、消防法施行令第29条の4第1項の規定に基づいて定められています(省令第1条)。

省令は、この設備を「特定小規模施設における火災が発生した場合において、当該火災の発生を感知し、及び報知するための設備」としています(省令第2条第2号)。

そして、特定小規模施設では、消防法施行令第21条第1項及び第2項の規定により設置し、及び維持しなければならない自動火災報知設備に代えて、特定小規模施設用自動火災報知設備を用いることができます(省令第3条第1項)。

消防法施行規則も、この設備を「特定小規模施設用自動火災報知設備以外の自動火災報知設備」と区別して扱っています(消防法施行規則第23条第4項第7号の6)。

天井の火災感知器

2. 特定小規模施設とは、どんな建物か

特定小規模施設は、消防法施行令第21条第1項に掲げる防火対象物(建物など)またはその部分のうち、延べ面積または床面積が300平方メートル未満のものです。ただし、第3号から第6号まで、第8号、第11号、第12号、第14号、第15号は除かれます(省令第2条第1号イ)。

残る号を消防法施行令別表第一の用途名で見ると、次のとおりです(消防法施行令第21条第1項)。

  • 第1号: (二)項ニ(カラオケボックスなど、個室で遊興の設備や物品を客に利用させる店舗で総務省令で定めるもの)、(五)項イ(旅館、ホテル、宿泊所など)、(六)項イ(1)から(3)まで及びロ(病院、入院施設のある診療所、入所施設のある助産所、老人短期入所施設、救護施設、乳児院など)、(十三)項ロ(飛行機または回転翼航空機の格納庫)、(十七)項(文化財保護法などで指定された建造物)、(六)項ハのうち利用者を入居または宿泊させるもの
  • 第2号: (九)項イ(蒸気浴場、熱気浴場などの公衆浴場)で、延べ面積が200平方メートル以上のもの
  • 第7号: 前各号に掲げる防火対象物以外の消防法施行令別表第一に掲げる防火対象物のうち、(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イの用途に使う部分が避難階以外の階にあり、その階から避難階または地上に直通する階段が2以上(階段が屋外にあるなどの場合は1以上)設けられていないもの
  • 第9号: (十六の二)項(地下街)の部分で、(二)項ニ、(五)項イ、(六)項イ(1)から(3)まで及びロ、(六)項ハ(入居・宿泊)の用途に使われるもの
  • 第10号: (二)項イからハまで、(三)項(料理店、飲食店など)、(十六)項イ(第3号、第7号及び第8号に掲げるものを除く。)の地階または無窓階で、床面積が100平方メートル以上のもの((十六)項イの場合は、(二)項または(三)項の用途に使う部分があるものに限り、その部分の床面積の合計が100平方メートル以上)
  • 第13号: 前各号に掲げるもののほか、地階または2階以上の階のうち、駐車の用に供する部分がある階(駐車するすべての車両が同時に屋外に出ることができる構造の階を除く)で、その部分の床面積が200平方メートル以上のもの

用途ごとに見ると、飲食店((三)項ロ)は第7号・第10号・第13号、店舗((四)項)は第7号・第13号に、用途の面で当たります。一方、工場((十二)項イ)と事務所などの事業場((十五)項)は、第7号と第10号が対象とする項に含まれません。残る号のうち、工場と事務所などの事業場に当たるのは第13号、つまり地階または2階以上の階にある駐車の用に供する部分だけです。

建物が消防法施行令別表第一のどの項に当たるかは、別の記事で説明しています。

3. 設置と維持の基準は、省令に定められています

特定小規模施設用自動火災報知設備の設置と維持の技術上の基準は、省令第3条第2項に定められています。要点は、感知器を設ける場所と、非常電源です。

警戒区域(火災の発生した区域を他の区域と区別して識別できる最小単位の区域)は、消防法施行令第21条第2項第1号及び第2号の規定の例によります(省令第3条第2項第1号)。

感知器は、イからハまでの場所の天井(天井のない場合は屋根)または壁の屋内に面する部分に、有効に火災の発生を感知できるように設けます(省令第3条第2項第3号)。

  • イ: 建築基準法第2条第4号に規定する居室と、床面積が2平方メートル以上の収納室
  • ロ: 倉庫、機械室その他これらに類する室
  • ハ: 階段・傾斜路、廊下・通路、エレベーターの昇降路、リネンシュート、パイプダクトなど。省令が掲げる防火対象物またはその部分の内部に設置されている場合に限ります。

2平方メートルの条件は、イの収納室にだけ掛かります。また、壁に設けられるのは、イの場所のうち床面積が30平方メートル以下のものの壁に限られます。

非常電源は、附置します(省令第3条第2項第4号)。このほかに、消防庁長官が定める設置と維持の技術上の基準にも適合する必要があります(省令第3条第3項)。

4. 連動型警報機能付感知器には、使える設備の制限があります

連動型警報機能付感知器は、感知器等規格省令(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令)第2条第19号の6に規定するものです(省令第3条第2項第2号)。このうち、イからニまでのいずれかに該当するものは、特定小規模施設用自動火災報知設備以外の自動火災報知設備に用いることができません(消防法施行規則第23条第4項第7号の6)。

  • イ: 火災信号を発信する端子以外から電力を供給されるもの(電源に電池を用いるものを除く)で、電力の供給が停止した場合に、その旨の信号を発信することができないもの
  • ロ: 電源に電池を用いるもので、電池の電圧が感知器を有効に作動できる電圧の下限値となったとき、その旨を受信機に自動的に発信することができないもの
  • ハ: 感知器等規格省令第21条の2の試験を行わなかったもの(防水型のものを除く)
  • ニ: 感知器等規格省令第22条第1項各号の試験を行わなかったもの

「防水型のものを除く」は、ハにだけ付いている条件です。

5. 通常の自動火災報知設備の設置基準は、別の記事で

自動火災報知設備をどんな建物に設置するかは、消防法施行令第21条が定めています。項ごとの延べ面積や、階・部分の基準は、別の記事で一覧にしています。

特定小規模施設用の設備は、消防法施行令第21条の設備に代えて用いるものですので、まず建物に同条のどの基準が当たるかを知ることが出発点になります。

建物の図面を確認する手元

6. まとめ

覚えておきたいポイント

・特定小規模施設用自動火災報知設備は、特定小規模施設で、消防法施行令第21条第1項・第2項の自動火災報知設備に代えて用いることができる設備です(省令第3条第1項)。

・特定小規模施設は、消防法施行令第21条第1項の一部の号に当たる建物またはその部分で、延べ面積または床面積が300平方メートル未満のものです(省令第2条第1号イ)。

・工場と事務所などの事業場で、残る号に当たるのは第13号(地階または2階以上の階の駐車の用に供する部分)だけです。

・感知器は、居室と2平方メートル以上の収納室、倉庫、機械室などの天井(天井のない場合は屋根)に設けます。壁に設けられるのは、居室と収納室のうち床面積が30平方メートル以下の場所の壁に限られます。

・非常電源を附置します。消防庁長官が定める基準にも適合する必要があります。

・連動型警報機能付感知器には、特定小規模施設用以外の自動火災報知設備には用いることができないものがあります。

・不明な場合は、管轄の消防本部に確認してください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の建物や店舗への適用を保証するものではありません。実際の取り扱いは、管轄の消防本部に確認してください。

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