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消防同意とは。消防法第7条の対象と期間(3日・7日)、消防用設備等の届出との違い

消防同意とは。消防法第7条の対象と期間(3日・7日)、消防用設備等の届出との違い

消防同意を求めるのは、建築主ではなく、建築の許可・認可・確認をする側です。建物の新築や増築、用途の変更を計画していると、建築確認の前に「消防同意」が要ると聞きますが、何のことか分かりにくい手続きです。消防同意は消防法第7条が定める仕組みで、結論が出るまでの期間は3日と7日、消防設備の届出とは別の手続きです。この記事を読むと、同意をだれが求めるのか、何日で結論が出るのか、消防設備の届出とどう違うのかについて、条文に沿って知ることができます。

目次

1. 消防同意とは。確認をする側が、先に消防の同意を得る仕組み

消防同意は、建築確認などをする側が、消防長または消防署長の同意を得てからでないと、確認などをしてはならないという仕組みです。消防法第7条第1項は、建築物の新築、増築、改築、移転、修繕、模様替、用途の変更若しくは使用について許可、認可若しくは確認をする権限を有する行政庁(その委任を受けた者を含みます)と、指定確認検査機関に、この同意を求めています。同意を得る相手は、工事施工地または所在地を管轄する消防長または消防署長です(消防法第7条第1項)。

同意を得る義務を負うのは、建築主ではなく、許可・認可・確認をする側です。建築主から見ると、建築確認が下りるまでの過程に、消防の審査が組み込まれていることになります。指定確認検査機関とは、建築基準法第6条の2第1項の確認を行う機関で、同法第77条の21第1項に規定するものです(消防法第7条第1項)。手続きの順序は、条文に沿うと3段階です。

1. 確認などをする行政庁や指定確認検査機関が、管轄の消防長または消防署長に同意を求めます。

2. 消防長または消防署長が、期限内に同意を与えて通知します。同意できない事由があると認めるときは、期限内にその事由を通知します。

3. 同意を得たうえで、許可・認可・確認がされます。

(消防法第7条第1項・第2項)

消防長または消防署長が同意を求められたときに行う審査には、建築基準法第68条の20第1項の規定が準用されます(消防法第7条第3項)。「準用」とは、その規定を、この場合にも同じように当てはめるという意味です。

建築の図面と模型

2. 同意の対象になる行為と建築物

同意が求められるのは、法第7条が挙げる行為について、許可・認可・確認がされる場面です。挙げられているのは、新築、増築、改築、移転、修繕、模様替、用途の変更、使用です(消防法第7条第1項)。用途の変更も入っているため、同意は新築のときだけの話ではありません。どの工事に建築確認が必要かは、建築基準法の側で決まります。確認が要らない工事で、許可・認可も要らないなら、同意を求める場面はありません。

第7条が対象とするのは「建築物」です。消防法のほかの手続きでは「防火対象物」(火災予防の決まりの対象になる建物などのこと)という言葉をよく使いますが、第7条では使われていません。

同意の対象から外れる場合は、ただし書が定めています。住宅についての例外で、第3章で説明します。店舗、事務所、工場、倉庫のような住宅以外の建築物について、延べ面積(各階の床面積を合計した広さ)の大小で対象を分けることは、第7条ではしていません(消防法第7条第1項)。

3. 同意が要らない場合。住宅の例外と、令第1条の定め

同意が要らないのは、法第7条のただし書が定める2つの場合です(消防法第7条第1項ただし書)。

1つ目は、防火地域及び準防火地域以外の区域内にある住宅です。 ただし、「長屋、共同住宅その他政令で定める住宅を除く」とされています。長屋と共同住宅は、この例外に入りません。防火地域・準防火地域の中の住宅も、この例外には入りません。防火地域・準防火地域は、都市計画法第8条第1項第5号に掲げる地域です。

政令で定める住宅は、消防法施行令第1条が決めています。一戸建ての住宅で、住宅以外の用途に供する部分の床面積の合計が、延べ面積の2分の1以上であるもの、または50㎡を超えるものです(消防法施行令第1条)。「または」でつながっているため、どちらか一方に当たれば、例外の住宅から外れて同意の対象になります。

住宅の例

防火地域・準防火地域以外の区域に、延べ面積120㎡の一戸建ての住宅を建てるとします。

住宅以外の部分(事務室など)が30㎡のとき、2分の1(60㎡)にも50㎡にも当たらないため、同意の例外になる住宅です。

住宅以外の部分が55㎡のとき、2分の1(60㎡)には届きませんが、50㎡を超えています。令第1条の住宅にあたるため、同意の対象です。

2つ目は、建築主事または建築副主事が、建築基準法第87条の4において準用する同法第6条第1項の確認をする場合です(消防法第7条第1項ただし書)。この確認の内容は、建築基準法の定めによります。

4. 同意の期間(3日と7日)と、同意するかどうかの判断基準

消防長または消防署長は、同意を求められた日から3日以内または7日以内に、同意を与えて通知しなければなりません。どちらになるかは、建築基準法第6条第1項第3号に係る場合かどうかで分かれます。

場合 同意を与える期限
建築基準法第6条第1項第3号に係る場合 同意を求められた日から3日以内
その他の場合 同意を求められた日から7日以内

(消防法第7条第2項)

この期限は、建築物の計画が、法律・命令・条例の防火に関する規定に違反しないと判断して、同意を与える場合の期限です。同意することができない事由があると認めるときは、同じ期限内に、その事由を行政庁または指定確認検査機関に通知しなければなりません(消防法第7条第2項)。同意がないと確認はできないため(消防法第7条第1項)、通知された事由は、計画を見直す手がかりになります。

どの建築物が第6条第1項第3号に当たるかは、消防法ではなく、建築基準法の規定で決まります。第3号は、第1号・第2号に当たらない建築物のうち、決められた区域の中にあるものです(建築基準法第6条第1項)。

  • 第1号: 劇場、ホテル、学校、百貨店、倉庫などの特殊建築物(建築基準法別表第一(い)欄の用途に使う建築物)で、その用途に使う部分の床面積の合計が200㎡を超えるもの
  • 第2号: 第1号を除き、階数が2以上ある、または延べ面積が200㎡を超える建築物

この2つのどちらにも当たらないのは、階数が1(平屋建て)で、延べ面積が200㎡以下の建築物です。小規模な建物と考えると、イメージしやすくなります。決められた区域とは、都市計画区域、準都市計画区域などです(除外される区域もあり、細かい扱いは建築基準法の条文によります)。階数の数え方は、建築基準法施行令の定めによります。

3日になる建物の例

都市計画区域内(除外される区域を除く)に、平屋建てで延べ面積150㎡の小さな事務所を建てる場合は、第1号にも第2号にも当たらないため、第3号に係る場合です。同意の期限は3日以内になります。

2階建ての建物や、延べ面積が200㎡を超える建物は、第1号または第2号に当たるため、7日以内です。

なお、建築確認そのものの審査期間は、消防の同意の期限とは別に決まっています。第1号・第2号は35日以内、第3号は7日以内です。やむを得ない理由があるときは、延長されることもあります(建築基準法第6条第4項・第6項)。

この章のポイント

3日と7日の分かれ目は、消防法第7条第2項が、建築基準法第6条第1項第3号に係るかどうかで定めています。

同意するかどうかの判断基準は、建築物の計画が、「法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定」で「建築物の防火に関するもの」に違反しないかどうかです(消防法第7条第2項)。違反しないときは、上の期限内に同意を与えます。

基準に挙がっているのは、消防法の規定に限られません。建築物の防火に関する法律・命令・条例の規定です。条文には、建築基準法に基づく一部の場合を審査から除く括弧書きもあり、その範囲は建築基準法の定めによります(消防法第7条第2項)。

手続きの書類

5. 消防用設備等の手続きとは別の手続き

消防同意が済んでも、消防用設備等の手続きがなくなるわけではありません。消防用設備等の設置と維持は、法第17条第1項が、防火対象物の関係者に求めています(消防法第17条第1項)。工事の前後の手続きは、同意とは別の条文で定められています。

手続き 手続きをする人 時期
消防同意 許可・認可・確認をする側が、消防長または消防署長に求める 許可・認可・確認の前
工事整備対象設備等の着工届 甲種消防設備士 工事に着手しようとする日の10日前まで
消防用設備等の設置の届出と検査 防火対象物の関係者 工事が完了した日から4日以内

着工届を出すのは、甲種消防設備士です。対象は、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、屋外消火栓設備、自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、金属製避難はしご(固定式のものに限る)、救助袋、緩降機の設置の工事です。設備によって、電源、水源、配管の部分は、この工事から除かれます(消防法第17条の14、消防法施行令第36条の2第1項)。工事の設計に関する図書として、平面図、配管及び配線の系統図、計算書の写しを添えます(消防法施行規則第33条の18)。

設置の届出と検査は、防火対象物の関係者が、設備を設置したときにします(消防法第17条の3の2)。対象は消防法施行令第35条が定めています。(二)項ニ、(五)項イ、(六)項イ(1)〜(3)およびロなどは、延べ面積にかかわらず対象です(消防法施行令第35条第1項第1号)。簡易消火用具と非常警報器具は、検査の対象から除かれています(消防法施行令第35条第2項)。そのほか、特定防火対象物(飲食店、物販店など)は延べ面積300㎡以上が対象です。非特定防火対象物(工場、倉庫、事務所など)は、延べ面積300㎡以上のうち、消防長または消防署長が火災予防上必要があると認めて指定するものが対象です(消防法施行令第35条第1項第2号・第3号)。届出は、工事が完了した日から4日以内に、平面図、配管及び配線の系統図、消防用設備等試験結果報告書を添えて行います。消防長または消防署長は検査を行い、適合していると認めたときに、検査済証を交付します(消防法施行規則第31条の3)。

着工届出書や設置届出書の様式は、日本消防設備安全センターが出している様式に統一されています。ただし、添付する書類や提出の運用は消防本部によって異なる場合があるため、管轄の消防本部に確認してください。

守らなかった場合

着工届や設置の届出を怠った場合の罰則は、30万円以下の罰金または拘留です(消防法第44条第8号)。設置の届出に対する検査を、拒んだり、妨げたり、忌避(避けること)したりした場合も、同じ罰則です(消防法第44条第4号)。

違反した内容(根拠条文) 罰則
着工届を出さなかった(消防法第17条の14) 30万円以下の罰金または拘留(消防法第44条第8号)
設置の届出をしなかった(消防法第17条の3の2) 30万円以下の罰金または拘留(消防法第44条第8号)
設置の届出に対する検査を拒んだ、妨げた、忌避した(消防法第17条の3の2) 30万円以下の罰金または拘留(消防法第44条第4号)

なお、消防法の罰則の条文(第39条の2から第46条の5まで)には、第7条の消防同意に直接かかる規定は見当たりません。

天井の消防用設備

6. 用途(項)と面積で、必要な設備が変わる

消防同意は、建築確認の前、つまり計画の段階の手続きです。この段階では、建物の用途(令別表第一の「項」)、延べ面積、階数が固まっています。消防用設備等の基準は、用途と面積、階の条件で決まります。たとえば、飲食店は(三)項ロ、物販店は(四)項、工場は(十二)項イ、倉庫は(十四)項、事務所などの事業場は(十五)項です。

用途で変わる例

延べ面積350㎡の建物を建てるとします。階や部分の特別な条件には当たらないものとします。

飲食店((三)項ロ)なら、自動火災報知設備は延べ面積300㎡以上が基準なので、350㎡は対象です(消防法施行令第21条第1項第3号イ)。

工場((十二)項イ)なら、同じ設備の基準は延べ面積500㎡以上なので、350㎡は、この基準では対象になりません(消防法施行令第21条第1項第4号)。

同じ延べ面積でも、用途が変わると、必要な設備が変わります。

7. まとめ

覚えておきたいポイント

・消防同意は、許可・認可・確認をする側が、消防長または消防署長の同意を得てから確認などをする仕組みです(消防法第7条第1項)。

・同意を求めるのは確認をする側で、建築主ではありません。

・同意が要らないのは、防火地域・準防火地域以外の区域内の住宅などです。長屋、共同住宅、住宅以外の部分が延べ面積の2分の1以上または50㎡を超える一戸建ての住宅は、同意の対象です。

・店舗、事務所、工場、倉庫は、住宅の例外に入りません。

・同意の期間は、3日以内(建築基準法第6条第1項第3号に係る場合)と7日以内(その他の場合)です。第3号は、区域内の、平屋建てで延べ面積200㎡以下の建築物が目安です。

・同意できない事由があるときは、期限内にその事由が通知されます。

・消防同意と、着工届(甲種消防設備士)・設置の届出(関係者)は、別の手続きです。

・着工届や設置の届出を怠ると、30万円以下の罰金または拘留の罰則があります(消防法第44条第8号)。

・不明な場合は、管轄の消防本部に確認してください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の建物や店舗への適用を保証するものではありません。実際の取り扱いは、管轄の消防本部に確認してください。

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